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REPORTS

バレエミストレスコラム
−カルメン再演への物語 第4話

Noismバレエミストレス真下恵が、創作の日々の中からお届けするコラム。
ある時は演出振付家の隣でメモをとり、またある時には舞踊家たち一人一人に客観的視点からアドバイスし、リハーサルを見つめ続けてきたミストレスだからこその目線で時折綴ります。
 

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「バレエミストレスコラム−カルメン再演への物語」第4話 2016.01.30


 

3ヶ月というリハーサル期間を経て、ようやく初日があきました。
ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。
 

さて、舞踊家にとって舞台にたつことは恐怖です。
なぜ恐怖なのか?
 

なぜならこの日のために費やしてきたものが計り知れないからです。
夜遅くまで残って自習をし、役作りのために頭を悩ませ、あるときは精神的にも自分を追い込み、よりよい舞台にするためにあらゆるエネルギーを注ぐ。
 

それらの果てしない日々を経て、たった1回きりの舞台、数百人の観客の前で、その一瞬にどれだけのものを出し切れるか。
自分が舞踊家としてどのように評価されるかを問われるのは舞台の上だけです。
いくら練習でどんなにうまくいっても本番でこければそれがそのまま舞踊家の評価につながります。
もちろんそうならないように日々トレーニングを重ねるわけですが、それと比例して自分自身にかかるプレッシャーも重くなります。
稽古を積み重ねれば重ねるほど、そして本番を経験するほどに。
 

舞台上でその瞬間生きるか死ぬかを左右するのは自分の意思のみです。
 

それは震えるほどの緊張であり、逃げ出したくなるほどの恐怖です。
しかしその先でしか表現できないものがあり、それを表現するのがNoismの舞台なのです。
 

Noismにしかできない表現というものがあるのです。
 

『カルメン』再演、新潟公演は残すところあと2回、ぜひお見逃しなく。
 

Noismバレエミストレス 真下恵

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