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REPORTS

バレエミストレスコラム
−カルメン再演への物語 第6話

Noismバレエミストレス真下恵が、創作の日々の中からお届けするコラム。
ある時は演出振付家の隣でメモをとり、またある時には舞踊家たち一人一人に客観的視点からアドバイスし、リハーサルを見つめ続けてきたミストレスだからこその目線で時折綴ります。
 

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「バレエミストレスコラム−カルメン再演への物語」第6話 2016.02.18


 
新潟3公演を終え、回数を重ねることで確実にパワーアップしているカルメン。
先週末久しぶりにスタジオで通し稽古を行いましたが、舞踊家から発せられるエネルギーはスタジオにはおさまりきらないほどのものになっていました。
それは意識的なものではなく、空間の開けた場所でお客さまを前に舞台を踏むことで、より遠くのお客様に届けようとする意識が働くのです。
 

Noismではよくエネルギーという言葉を使います。
 

毎朝行われるNoismバレエの最後には必ず数秒、長い時には数分、ただそこに立つということのトレーニングを行います。
足の裏でしっかり床をつかみ、丹田(臍の下)に力を入れ、瞬きもせず、指先まで全身すきのない身体をつくります。
身体の中でエネルギーを燃やし続け、発し続けるのです。
 

その身体からは、明らかに日常的な身体では発することのできない何かが生まれます。
 

その何かを文章でうまく表現することはできません。
「なぜかわからないけど、何かあの人は違う」
といった類のものなのです。
それを毎日全員行うことで個々のエネルギーが集団のエネルギーへとつながります。
 

それこそまさに、実際に劇場に足を運びその空間に浸ることでしか味わえないもの。
身体から発せられるエネルギーは、身体でしか感じられません。映像では決して捉えられないものです。
Noism1、Noism2、ゲスト俳優の奥野さん、出演者総勢22名のエネルギーが、今週末横浜KAATの空間を埋め尽くします。
ぜひ皆様、足をお運びくださいませ。
心よりお待ちしております。
 

Noismバレエミストレス 真下恵

私たちはNoismの活動を応援しています。