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REPORTS

バレエミストレスコラム
-カルメン再演への物語 最終話

Noismバレエミストレス真下恵が、創作の日々の中からお届けするコラム。
ある時は演出振付家の隣でメモをとり、またある時には舞踊家たち一人一人に客観的視点からアドバイスし、リハーサルを見つめ続けてきたミストレスだからこその目線で時折綴ります。
 

P1060145 (Medium)
 

「バレエミストレスコラム−カルメン再演への物語」最終話 2016.02.23


 

劇的舞踊『カルメン』再演、新潟3公演、神奈川3公演、全6公演すべて終了いたしました。
ご来場いただいた皆様ありがとうございました。
 

舞台はひとつの結果です。
そこに至るまでの過程に多くの人たちが膨大なエネルギーを注ぎ込んだ結果なのです。
その結果に対しての皆様の評価が、神奈川公演最終日のあの割れんばかりの喝采とたくさんのブラボーに現れたのだと思います。
 

しかし、私たちを評価するのは私たちではありません。
どこがよかった、何に感動したかなど、今、私がここで書くことではないでしょう。
舞台をご覧になった皆様が、さまざまな場所で語り継いでいってくださることで、Noismの劇的舞踊『カルメン』は、そのキャッチコピーにもある通り、「物語の”物語”」の”物語”になって行くのだと思います。
 

今私たちがすべきことは、皆様の評価を真摯に受け止め次の舞台へと踏み出すこと。
歩みを止めることなく、Noismが信じる身体表現の力を追求し続けること。
 

舞踊家たちは一度短い休暇に入り、その後、初夏に初演予定の新作、劇的舞踊『ラ・バヤデール』に向けての稽古を再開します。
しかしそれはゼロに戻っての積み上げではなく、『カルメン』という大きな舞台を経た、その上に積みあがっていくものです。
 

『ラ・バヤデール』のリハーサルについては次回公演のコラムで詳しく綴りますが、今回また新しい方法での振付が進行していることもあり、舞踊家たちは大変戸惑っている模様です。
『カルメン』によって培われたものと、『ラ・バヤデール』で取り入れた新しいものとが合わさって、どんな科学反応がおこるか今から非常に楽しみなのです。
それは、同じメンバーで同じ時間・空間を共有した私たちだから目指せる新たな境地です。
 

次は、Noism1×Noism2 劇的舞踊『ラ・バヤデール-幻の国』で、お会いしましょう。
そしてあらためて、今回劇場に足を運んでいただいた皆様、本当にありがとうございました。
また6月に、劇場でお待ちしています。
 

Noismバレエミストレス 真下恵

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