INTRODUCTION

ダンスカンパニーカレイドスコープを率い、独創的な動きと構成で注目される二見一幸に国際活動部門芸術監督・井関佐和子がNoism1新作を委嘱。 Noism芸術総監督・金森穣によるNoism0新作との二本立て(ダブルビル)。

[新潟]2023年6月30日(金)ー7月2日(日)

りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館〈劇場〉

 

[東京]2023年7月14日(金)ー7月16日(日)

めぐろパーシモンホール〈大ホール〉

 

主催:公益財団法人新潟市芸術文化振興財団

共催:公益財団法人目黒区芸術文化振興財団(東京公演)

助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会

製作:りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館

 

[この事業は新潟市から補助金の交付を受けて実施しています]

 

ABOUT

 

2022年秋より、りゅーとぴあの専属舞踊団Noism Company Niigataでは、新潟市が定めたりゅーとぴあのレジデンシャル制度に基づき、新たに二部門制での活動をスタートさせました。

設立から19年目のシーズン、新体制最初の公演では、1〜2月にかけてNoism0とNoism1による新作『Der Wanderer-さすらい人』を上演。メンバー1人1人のソロから紡がれる作品で、新生Noismとしての新たなスタートを切りました。「パンデミックや戦争で先が見えない今だからこそなお共感を抱かせるもの」など、カンパニーの再始動に相応しい作品として評価を得ました。

続く夏の公演は、金森穣、二見一幸によるダブルビルです。ダンスカンパニーカレイドスコープを率い、独創的な動きと構成で注目される二見一幸に、国際活動部門芸術監督・井関佐和子がNoism1のための新作を委嘱。Noism芸術総監督・金森穣によるNoism0新作との二本立てで上演します。
キーワードは「領域」。二人の振付家によるそれぞれの視点をどうぞお楽しみください。

 

 

 

 

 

 

Noism Company Niigata(ノイズム・カンパニー・ニイガタ) www.noism.jp

りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館を拠点に活動する、日本初の公共劇場専属舞踊団。プロフェッショナル選抜メンバーによるNoism0(ノイズムゼロ)、プロフェッショナルカンパニーNoism1(ノイズムワン)、研修生カンパニーNoism2(ノイズムツー)の3つの集団があり、国内・世界各地からオーディションで選ばれた舞踊家が新潟に移住し、年間を通して活動。2004年の設立以来、りゅーとぴあで創った作品を国内外で上演し、新潟から世界に向けてグローバルに展開する活動(国際活動部門)とともに、市民のためのオープンクラス、学校へのアウトリーチをはじめとした地域に根差した活動(地域活動部門)を行っている。Noismの由来は「No-ism=無主義」。特定の主義を持たず、歴史上蓄積されてきた様々な身体表現を後世に伝えていこうとしている。


 

公演によせて

国際活動部門芸術監督 井関佐和子

 

今回、ゲスト振付家招聘企画として二見一幸さんをお迎えし、Noism1 新作『Floating Field』と、金森穣による Noism0 新作『Silentium』をダブルビルでお届けします。

 

 

メインタイトル「領域」

ある哲学者が「私たちは類型的な物事を、自ら判断をして決着をつけていると思っているが、実は決着などついてはいなくて、無意識の領域に閉じ込めているだけだ」と言っている本を読んで、無意識の領域というものに関心を持ちました。一体どれほどの事柄、事物をこの領域に閉じ込めているのだろう、と。
フロイトのいう「意識」「前意識」「無意識」
それぞれの「領域」
舞踊家としてこれらの領域の垣根を越えることは可能なのだろうか?
舞踊団としてこの命題に挑戦をしたいという思いからこのタイトルに決定しました。

 

 

二見一幸さん

二見一幸さんは日本のコンテンポラリーダンス及び現代舞踊界で長年実績があり、La Danse Compagnie Kaleidoscopeを1996年に発足して以来、数々の賞を受賞してこられました。私自身も二見さんのお名前は日本に帰国した 20 年前から聞いており、作品も何度か拝見しました。身体から派生していく作品創りとその奥に潜む人間の物語が、現代日本における舞踊作品のなかでも魅力的な振付家だと思っています。そして長年集団性に重きを置き、この国で活動されている二見さんとNoismには共通の問題意識や共感があるのではないかと感じています。Noism1のメンバーと共に二見さんが新たな領域を発見してくださることを願っています。

 

 

金森穣の新作

金森の新作は、Noism0 が発足して以来初となる金森本人と私 、井関佐和子の2人の作品となります。金森が近年重要視している「沈黙の言語」が私たち2人によってどのような新たな領域を生み、作品として世に出ていくのか楽しみにしています。そして6 年ぶりに宮前義之さん(A-POC ABLE ISSEY MIYAKE)をお迎えして衣裳を製作していただくこととなりました。素晴らしいチームの皆さんの感性と想像力が、この作品の見どころのひとつとなり、作品を新たな領域に導いてくれることを確信しています。

 

創作によせて

『Floating Field』 演出振付:二見一幸

 

 

舞台に流れる嵐の前のような静寂の時間と繊細で緊張感ある空間の中

身体が刻んでゆく時間

身体が描いてゆく空間

そこから現れてくる舞踊の形

ダンサー達は、他者との合流や集合・離脱を繰り返し、さまざまな状況を創りながら流動化していく。
心の動きに問いかけながら、
自分の中にある舞踊言語を駆使してこの「時間」と「空間」と「身体」の流れが導いていくところへ向かって行く。

 

 


 

『Silentium』 演出振付:金森穣

 

《Silentium》とは、アルヴォ・ペルトによる楽曲《Tabula Rasa》の後半部分に相当する、20分程の楽曲である。

Tabula Rasaとは何も刻まれていない石板を意味し、Silentiumとは沈黙や闇を意味するラテン語である。
この楽曲を私はNoism 設立年である2004年に『black ice 第3部 black garden』の終曲として用いている。

私にとって同じ楽曲を別の創作に用いることは稀で、今回はその異例の一つとなる。
それほどこの楽曲に“いま”惹かれたのである。
私にとってある楽曲に惹かれるということは、そこに世界(空間/照明/舞踊家)が見えることを意味する。

18年前そこに見えたのは一人の男(私)の姿であり、今回そこに見えたのは一組の男女、私と佐和子の姿であった。
佐和子と二人だけで踊り“続けた”ことがない。
Noismでの作品はもちろん、unit Cyan(金森/井関のユニット)として発表した作品ですら、互いにソロを踊ったり、映像を挟んだり、いわゆる展開があってのことで、二人だけで踊り“続けた”ことはない。踊り続ける私たち。「私たち」という領域。「私」の中に「あなた」を内面化し、「あなた」の中に「私」を拡張することで生まれる「私たち」という領域。明滅変容する空間も、沈黙を奏でる音楽も、見つめる観客の視線もすべて内面化して、「私たち」という領域を拡張していく。その場にいなければ決して共有できない「沈黙」を共有するために。

 

沈黙に満ちた静寂の中、一組の男女が踊っている。
身体を伸縮させ、空間を変容させながら、沈黙の対話を続けている。
沈黙に満ちた静寂の中、音楽が生まれる。
空間を明滅させ、身体を変容させながら、沈黙を奏で始める。
沈黙と沈黙の拮抗。その間に生まれる第3の沈黙。
再び訪れた静寂の中、一組の男女が踊っている。
そこにある静寂は、かつてのそれとは異なる沈黙に満ちている。

 

 


CREDIT

Noism0/Noism1「領域」

『Floating Field』

演出振付:二見一幸

音楽:ドメニコ・スカルラッティ、 7Chato、他

衣裳:堂本教子

出演:Noism1

 

『Silentium』

演出振付:金森穣

音楽:アルヴォ・ペルト

衣裳:宮前義之(A-POC ABLE ISSEY MIYAKE

出演:Noism0

 
 
金森穣 Jo Kanamori  www.jokanamori.com
演出振付家、舞踊家。Noism Company Niigata芸術総監督。17歳で単身渡欧、モーリス・ベジャール等に師事。ルードラ在学中から創作を始め、NDT2在籍中に20歳で演出振付家デビュー。10年間欧州の舞踊団で舞踊家、演出振付家として活躍したのち帰国。2004年4月、りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館舞踊部門芸術監督に就任し、日本初の劇場専属舞踊団Noismを立ち上げる。サイトウ・キネン・フェスティバル松本での小澤征爾指揮によるオペラの演出振付を行う等、幅広く活動している。平成19年度芸術選奨文部科学大臣賞、平成20年度新潟日報文化賞、第60回毎日芸術賞ほか受賞歴多数。令和3年紫綬褒章。

 

二見一幸  Kazuyuki Futami

La Danse Compagnie Kaleidoscope/ Dance Brick Box主宰。

一般社団法人現代舞踊協会理事。舞踊家庄司裕に師事。93年文化庁芸術家在外研修員 としてフランスで 2年間活動。

96年La Danse Compagnie Kaleidoscope設立。カンパニーでの創作を中心に、外部への作品提供も行なっている。

99年文化庁芸術祭優秀賞。2014年現代舞踊協会制定江口隆哉賞。2020年大和市文化芸術賞。

 

堂本教子 Kyoko Domoto 『Floating Field』衣裳

コンテンポラリーダンス、舞踏、演劇、歌舞伎、オペラなどの衣裳デザイン製作。1999年と2003年には、チェコ・プラハ カドリエンナーレ国際舞台美術展出展。00年文化庁芸術家在外研修として、バットシェバ舞踊団の衣裳デザイナーRakefet Levyに師事。99年伊藤熹朔賞奨励賞、第36回橘秋子賞 舞台クリエイティブ賞受賞。

 

宮前義之 Yoshiyuki Miyamae 『Silentium』衣裳

1976年東京都生まれ。 2001年三宅デザイン事務所に入社し、三宅一生と藤原大が率いた A-POCの企画チームに参加。その後ISSEY MIYAKEの企画チームに加わり、2011年から19年まで ISSEY MIYAKEのデザイナーを務めた。 2020年秋「TADANORI YOKOO ISSEY MIYAKE」を発表。

新ブランド「A-POC ABLE ISSEY MIYAKE」では、エキスパートを集めたチームを率いて、 A-POC の更なる研究開発に取り組む。

SCHEDULE&TICKET


新潟公演

2023.6.30(金)19:00 ★/7.1(土)17:00 ★/ 7.2(日)15:00 

 

★の回は、終演後約30分のトークあり

○6月30日(金)19:00
二見一幸(Noism1『Floating Field』演出振付家)×山田勇気(地域活動部門芸術監督)

○7月1日(土)17:00
金森穣(Noism0『Silentium』演出振付家)×井関佐和子(国際活動部門芸術監督)

 

本公演のチケット(新潟公演いずれの日程でも可)をお持ちの方であれば、どなたでもご参加いただけます。

 

 

りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館〈劇場〉
入場料:全席指定5,000円 U25 3,000円 高校生以下1,000円(税込)
*未就学児の入場はご遠慮いただいております。
*U25は公演時25歳以下の方対象(未就学児を除く)。U25・高校生以下の方は入場時に身分証をご提示ください。
*託児サービス、車椅子席等のサポートサービスの詳細はこちらをご覧ください。

 

【チケット情報詳細】

 

取扱い

りゅーとぴあ(オンライン・電話・窓口)
▶オンライン・チケット https://piagettii.s2.e-get.jp/ryutopia/pt/ [発売初日11:00-]
▶電話 025-224-5521(11:00-19:00 / 休館日除く) [発売初日11:00-]
▶窓口(りゅーとぴあ2階) [発売初日(会員先行・一般発売ともに)取扱いなし]
会員および一般発売初日は、インターネットと電話予約に限定させていただきます。
残席があった場合、翌営業日11:00より窓口にて取り扱います。

 

チケット発売中

 

主催:公益財団法人新潟市芸術文化振興財団

助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会


東京公演

2023.7.14(金)19:00 / 7.15(土)17:00 /7.16(日)15:00

めぐろパーシモンホール〈大ホール〉

入場料:全席指定6,000円 25歳以下 3,000円(税込)

*未就学児の入場はご遠慮いただいております。
*25歳以下は公演時25歳以下の方対象(未就学児を除く)。25歳以下の方は入場時に身分証をご提示ください。

 

 

【チケット情報詳細】

 

取扱い

めぐろパーシモンホール*東京公演のみ

▶電話 03-5701-2904(10:00-19:00)

 

▶窓口 めぐろパーシモンホールチケットセンター窓口
(地下1階ホール受付 10:00~19:00)

▶インターネット→めぐろパーシモンホールチケット購入

 

りゅーとぴあ(オンライン・電話・窓口)

▶オンライン・チケット https://piagettii.s2.e-get.jp/ryutopia/pt/ (発売初日11:00-)

▶電話 025-224-5521(11:00-19:00 / 休館日除く) (発売初日11:00-)

▶窓口(りゅーとぴあ2階) (発売初日(会員先行・一般発売ともに)取扱いなし)

会員および一般発売初日は、インターネットと電話予約に限定させていただきます。

残席があった場合、翌営業日11:00より窓口にて取り扱います。

 

発売日

チケット発売中

 

 

主催:公益財団法人新潟市芸術文化振興財団

共催:公益財団法人目黒区芸術文化振興財団(東京公演)

助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業)|独立行政法人日本芸術文化振興会

MOVIE


 

Noism0/Noism1「領域」井関佐和子インタビュー

 


Noism1『Floating Field』trailer 演出振付:二見一幸

 


Noism0『Silentium』trailer 演出振付:金森穣

2018 © Noism All Rights Reserved.