Noism0+Noism1
『アルルの女』 / 『ボレロ』
[新潟]
2025年6月27日(金)19:00
6月28日(土)17:00★
6月29日(日)15:00◆
りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館〈劇場〉
★→終演後アフタートークあり(約30分間)
*ご来場の皆さんからの質問にお答えします。
*新潟公演のチケットをお持ちの方であれば、別日程でもトークのみのご参加も可能です。
◆→14:00よりプレトークあり(約20分間)
*開演前に、劇場のホワイエにて、演出振付家が作品についてお話しします。
*当日の公演チケットをお持ちの方のみご参加いただけます。
*会場の都合上、椅子のご用意はございませんので、ご了承ください。
*客席の開場は14:30を予定しております。
入場料(税込)
全席指定5,500円・U25 3,000円・高校生以下 1,000円
チケット発売日
りゅーとぴあ会員先行:3月26日(水)
一般発売:3月29日(土)
[埼玉]
2025年7月11日(金)19:00
7月12日(土)17:00
7月13日(日)15:00
入場料(税込)
一般 6,000円・U25 3,000円
チケット発売日
SAFメンバーズ先行:3月22日(土)
一般発売:3月29日(土)
※埼玉公演のりゅーとぴあ取り扱い分の発売はりゅーとぴあ会員・一般共に3月29日(土)
【チケット取扱い】
りゅーとぴあ
*会員および一般発売日初日はインターネットと電話予約に限定させていただきます。
残席があった場合、翌営業日11:00より窓口にて取り扱います。
◇オンライン・チケット https://piagettii.s2.e-get.jp/ryutopia/pt/ (発売初日11:00-)
◇電話 025-224-5521
(発売初日11:00-)
◇窓口 [発売初日(会員先行・一般発売ともに)取扱いなし]
お申込み・お問い合わせ
りゅーとぴあチケット専用ダイヤル 025-224-5521(11:00-19:00 / 休館日除く)
SAFチケットセンター *埼玉公演のみ
◇SAFオンラインチケット https://www.saf.or.jp/t/
(発売初日10:00-)
◇電話0570-064-939
(10:00-18:00 / 劇場休館日除く)
◇窓口 彩の国さいたま芸術劇場
(10:00-18:00 / 休館日除く)
埼玉会館(10:00‐18:00 / 休館日除く)
INTRODUCTION
ビゼー没後150周年。舞踊で紡ぐ音楽劇「アルルの女」
ラヴェル生誕150周年。Noism版「ボレロ」生の讃歌
★チラシのダウンロードはこちら
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ビゼーが戯曲上演のために作曲した劇付随音楽及び組曲版を用いて創る金森穣演出振付の最新作『アルルの女』。
これまでに、『カルメン』(2014)、『ラ・バヤデール―幻の国』(2016)、『ROMEO&JULIETS』(2018)など様々な物語に新たな命を吹き込んできた金森穣が、アルフォンス・ドーデの短編小説に基づく戯曲から構想を得て、これまでに国内外のバレエ団やオペラで上演されてきたような作品とはひと味もふた味も違う新たな物語を描きます。同時に、りゅーとぴあジルベスター・コンサート2023、SaLaD音楽祭2024と、生演奏での上演を重ねた『ボレロ』を劇場版の新演出でお届けします。
CREDIT
『アルルの女』 演出振付:金森穣
音楽:ビゼー
衣裳:井深麗奈
映像:遠藤龍
出演:Noism0、Noism1
『ボレロ―天が落ちるその前に』 演出振付:金森穣
音楽:ラヴェル
出演:Noism0、Noism1
※音楽は録音での上演です。
アルルの女この夏のNoism0+Noism1の新作は『アルルの女』(音楽:G.ビゼー)を創作する。
ビゼーの代表作である本楽曲はコンサートでも頻繁に演奏され、バレエの世界でも多くの作品が振付されている。しかしそれらはいずれも組曲版(に振付した作品)であり、初演がコーラス付きの劇付随音楽であったことを知る人は意外に少ない。私もそうであり、偶然ミシェル・プラッソンとトゥールーズ・キャピトール管弦楽団による劇付随音楽の完全版録音を聞いて、すぐに戯曲「アルルの女」(A.ドーデ)を買い求めた。
ドーデによるこの物語は、“アルルの女”という不在の女とフレデリという青年の自死の物語(悲劇)として有名である。
しかし戯曲を読むと、その悲劇は青年を取り囲む人々、すなわち家族や村の人々といった、大小様々なコミュニティー(囲い)が関係しあって生み出されていることが分かる。
そして悲劇の引き金は“アルルの女”によって引かれているというよりも、関係する人々、特に母親によって引かれているように思われる。
それは不在の他者に対する幻想という一個人の精神構造が起こした悲劇というよりも、共依存という、実在する他者との関係性のうちに生まれた悲劇であるということである。
そして物語における重要な人物にフレデリの弟がいる。ジャネという名がありながら、戯曲の役名が“ばか”である(家族がそう呼んでいる)という問題に加え、知的障がいを抱えるジャネに母親は見向きもせず、ひたすらフレデリに愛情を注いでいる。それでもジャネは常に笑顔で、“知的”な大人たちが織りなす、不条理な人間ドラマを外から眺めている。その眼差し、そして存在こそがこの悲劇をより痛切なものにし、“人間とは何か”という根源的な問いを投げかけてくる。
人は誰しも1人では生きてゆけない。それが互いに助け合うことの必然を生むと同時に、自立できない(させたくない)という捻れた関係の温床ともなり得る。核家族化が常態化した現代社会では、モンスターペアレンツ、推し文化、ひいてはSNSによる匿名の誹謗中傷など、特定個人との歪んだ結びつきによる問題を多く生んでいる。すなわち本戯曲で扱われている共依存の問題は、極めて現代的な問題なのである。
勿論、本作はドーデの戯曲をそのまま上演するものではない。上記した問題意識に基づいて、私が独自に作り上げた役柄、関係性、展開を、ビゼーの劇付随版楽曲と組曲版楽曲を組み合わせて上演される。
ボレロー天が落ちるその前に
2023年大晦日に“りゅーとぴあジルベスター・コンサート”にて初演したコンサート版『Boléro』を、劇場版『ボレロ-天が落ちるその前に』として初演する。
コンサート版初演演出ノート
ラヴェル作曲のBoléroのオリジナルあらすじは、―セビリヤのとある酒場。1人の踊り子が、舞台で足慣らしをしている。やがて興が乗ってきて、最初はそっぽを向いていた客たちも、次第に踊りに目を向け、最後には一緒に踊り出す―というもの。
Noism版では酒場を修道院にし、踊る1人の女性を生贄に設定している。生贄の踊りが発するエロス(生への衝動)が、修道士たちの禁欲の鎖を解き放っていく。そして最後は全員で生命の叫びを上げるのだ。それはこの閉塞した時代へのメッセージ、生の讃歌といえるだろう。
劇場版初演演出ノート
閉塞感漂うこの社会の中で、生きること(踊ること)、信じること(志すこと)、そのための熱量を、過剰なほどの身体エネルギー(叫び)によって届けたい。このコンセプトはコンサート版も劇場版も同じである。しかし劇場版では新たに空間的要素を加味することで、より強く、より深くその想いを届けたいと思う。
杞憂という言葉の語源には「天が落ち、地が崩れることを憂いて寝食もままならなくなった杞の国の人を励ます」という逸話がある。しかし現在、世界を覆い尽くしている不安=国際秩序(戦争)や自然秩序(地震)崩壊への憂慮は、それらが杞憂で終わりそうにもないことを、現実として突きつけてくる。
このような時代において、例え天が落ちたとしても、例え地が崩れたとしても、今この時に全てを賭けること。同志たちと共に“今此処”に全霊で挑むこと。その姿を、その祈りを、客席に届けたい。それが舞踊であり、舞踊団だと思うから。
主催:公益財団法人新潟市芸術文化振興財団
共催:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団(埼玉公演)
製作:りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)| 独立行政法人日本芸術文化振興会
※この事業は新潟市からの補助金の交付を受けて実施しています。