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REPORTS

バレエミストレスコラム
−カルメン再演への物語 第2話

Noismバレエミストレス真下恵が、創作の日々の中からお届けするコラム。
ある時は演出振付家の隣でメモをとり、またある時には舞踊家たち一人一人に客観的視点からアドバイスし、リハーサルを見つめ続けてきたミストレスだからこその目線で時折綴ります。
 

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「バレエミストレスコラム−カルメン再演への物語」第2話 2016.01.25


 

今回はカルメン小噺をひとつ紹介したいと思います。
 

『カルメン』の作品の中で重要な役割を果たす花があります。
 

カルメンというとなんとなく真っ赤なバラを連想する方も多いと思いますが、実はその重要な花というのはバラではありません。
甘い香りのする黄色いアカシアなんです。
第一幕でカルメンがドン・ホセに投げつけるのがこのアカシア。
ホセはその花を捨てずに胸にしまいます。
そしてオペラ版カルメンの第二幕では、ホセはその胸にしまっていたアカシアを手に取りカルメンに捧げる愛の歌として「花の歌」を歌うのです。
 

「おまえが投げた この花を
 俺は牢の中でも手放さなかった
 しぼんで ひからびてしまっても
 甘い匂いは変わらなかった」
 

という出だしから始まるこの曲、実はNoism版カルメンでは2つのシーンで使われています。
それがどことは言いませんが、ドン・ホセによるカルメンへの愛の歌がどのシーンで使われているかを注意深く見てあることに気づいたとき、Noism版カルメンをもう一つ掘りさげてみることができるかもしれません。
 

さて、いよいよ本番が間近に迫り劇場も独特な緊張感に包まれてまいりました。
劇的舞踊『カルメン』再演、ほぼ完成に近づいております。
しかし作品というものは劇場に足を運んでいただいた皆さま一人一人の心の中で初めて完成されるもの。
ぜひ劇場に足を運び、そしてカルメンという物語を完成させてください。
 

それでは、劇場にてお待ちしております。
 

Noismバレエミストレス 真下恵

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