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バレエミストレス真下恵による「ハコ噺」第10話

Noismバレエミストレス真下恵が『箱入り娘』創作の日々の中からお届けする小噺、「ハコ噺(ハコバナシ)」。
ある時は演出振付家の隣でメモをとり、またある時には音響卓を操作して音を出し、さらには舞踊家たち一人一人に客観的視点からアドバイスし、《かかし王子》の楽譜を片手に拍子を数え…リハーサルを見つめ続けてきたバレエミストレス。
8月1日まで続く公演の様子を、ミストレスだからこその目線で時折綴ります。

 

「ハコ噺」第10話 2015.07.08


『箱入り娘』前半期が終了してほっと一息もつかの間。
先週から『箱入り娘』と平行して「水と土の芸術祭2015」に向けてNoism0とNoism1メンバー振付作品が始動しております。
さて、前回は我らが佐和さんについてのお噺でしたが、今回からは他のメンバーについて紹介していこうかと思います。
 

◇亀井彩加◇
2009年に発足した研修生カンパニーNoism2の初期メンバーである彩加。
その2年後にNoism1に上がったときはまだ22歳という若さで一番の下っ端でしたが、多くの舞台を踏み経験を積んだことで近頃はすっかりNoismの顔になりつつあります。
今回の『箱入り娘』では「あしすたんと」と「花黒衣」という2役を演じています。
『Nameless Hands ~人形の家』以来、Noismの作品とは切っても切れない「黒衣」。
存在を消しつつも存在感を出さなければならない難しい役どころですが、その分極めがいがあるのです。
劇的舞踊『ホフマン物語』『中国の不思議な役人』『青ひげ公の城』…と数々の作品で「黒衣」を踊ってきた彩加。
そんな彼女の存在感にもぜひ注目してください。
 

◇角田レオナルド仁◇
こちらもNoism2の初期メンバーです。
オーディションで初めて会う前は、どんな青い目のハーフが来るのかと思いましたが、ご両親ともに生粋の日本人です。
小柄ではありますが、たくましい上半身と意外と美しいつま先が目を惹きます。
今回は「カメラ兎」というキャラクターたちの中でも一番謎の人物?動物?を演じています。
この「カメラ兎」の存在をどう捉えるかによって、作品を見ている側の解釈も変わるキーアニマルですね。
本来、ウサギの視野は360度、ほぼすべてを見渡すことができるそうですが、この「カメラ兎」の視野はとっても限定されています。
そんな中でのあの動きなのです。
 

来週末の金沢公演に向けて、再び徐々にアクセルを上げ始めている『箱入り娘』です。
3年前の『Nameless Voice ~水の庭、砂の家』以来の金沢公演。
21世紀美術館という独特な会場で、どんな『箱入り娘』が観られるでしょうか。
金沢公演の後は新潟凱旋公演も控えております。
まだご覧になっていない方はもちろん、既に見たという方も、ぜひもう一度足をお運びください。
きっとまた新しい『箱入り娘』に出会えるはずです。
 

Noismバレエミストレス 真下恵

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