Noismバレエミストレス真下恵が『箱入り娘』創作の日々の中からお届けする小噺、「ハコ噺」。
ある時は演出振付家の隣でメモをとり、またある時には音響卓を操作して音を出し、さらには舞踊家たち一人一人に客観的視点からアドバイスし、《かかし王子》の楽譜を片手に拍子を数え…リハーサルを見つめ続けてきたバレエミストレス。
8月1日まで続く公演の様子を、ミストレスだからこその目線で時折綴ります。
「ハコ噺」第4話 2015.06.07
『箱入り娘』初日があきました。
ご来場いただいた皆様、ありがとうございました!
客席には、この作品の世界初演に立ち会おうと駆けつけてくださったNoismリピーターの方々のお顔も多くお見受けしましたが、いかがだったでしょうか?
長年Noismを観続けてくださっている皆様も驚かれたのではないでしょうか?
そう、こんなNoismもあるんです。
前作『ASU』のときには吐きそうになる程ド緊張していた私でしたが、今回は子どものようにワクワクドキドキしながら幕が上がるのを待ちました。
そして、結果、「くっだらね〜。」と声をあげて笑ってしまいました。
『箱入り娘』未経験者の皆さま、想像できますか?
バレエミストレスがくだらないと言って笑ってしまうNoismの作品を。
そして想像して欲しいのです。
そのくだらなさの中に、どれほどのNoismとしてのプライドが詰め込まれているかを。
くだらなくて笑ってしまうということは何なのか。
そして舞台上から舞踊家に見つめられることであなたは何を思うのか。
「舞踊を趣味でなく、職業として提示する。それが俺たちの使命なんだよ。」
いつかのリハーサルで穣さんが私たちにおっしゃいました。
その使命を背負って今晩も幕が上がります。
ぜひ皆さま、一度と言わず二度三度『箱入り娘』覗きにいらしてください。
ちなみに会場にはもうひとつ「覗ける」ちょっと楽しい仕掛けがございます。
そちらもお見逃しなく。
Noismバレエミストレス 真下恵