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REPORTS

バレエミストレス真下恵による「ハコ噺」第6話

Noismバレエミストレス真下恵が『箱入り娘』創作の日々の中からお届けする小噺、「ハコ噺」。
ある時は演出振付家の隣でメモをとり、またある時には音響卓を操作して音を出し、さらには舞踊家たち一人一人に客観的視点からアドバイスし、《かかし王子》の楽譜を片手に拍子を数え…リハーサルを見つめ続けてきたバレエミストレス。
8月1日まで続く公演の様子を、ミストレスだからこその目線で時折綴ります。
 

hakosus (Small)

 

「ハコ噺」第6話 2015.06.12


新潟4公演目無事終了し、新潟前半を折り返しました。
 

私自身は毎回違う席に座って見ているのですが、いまだに毎回新しい発見があります。
 

「この子ここでこんな表情してるんだ」
「この動きもっとこうできるんじゃないの?」
「ここの照明ここから見るとこんなかんじなんだ」
などなど
 

本当に舞台とは一期一会で毎公演違いますし、見る場所によってまったく違う表情をもっています。
ぜひみなさん、何度もあしをお運びくださいませ!
 
 

さて、今回のハコ噺は恒例?の
「これを知ってたら少し違った視点で箱入り娘を鑑賞できるマニアック情報」
をお届けします。
 

今回はサス噺です。
「サス」というのは「サスペンションライト」の略で、Noismでは主にスポットライトのことを言います。
周りが暗くその場所だけがポッと明るく、そこに人が立つと暗闇で浮かび上がったように見えなんとも不思議な世界観を生み出します。
 

問題はその照明の中に入るのが大変困難だということ。
もちろん最初からそのスポットライトが点いていて、そこに入るだけなら簡単です。
しかし何も目印のない場所に立っていて、後から照明が点く場合。
通常でしたら「バミリ」と呼ばれる印を床に貼っておけるのですが、今回は床が芝なので貼ってもすぐにはがれてしまうんですね。
 

目印もなく毎回絶対同じ場所に立たなければならない緊張感。
人と、ものと、壁との距離感、絶対的な舞台上での空間認識、そこにたどり着くまでの足の運び、全てに意識を集中させます。
 

しかもそれだけに集中していると次の動きにつながらなくなってしまう。
ここだけのはなし、なかなか大変なんです・・・。
 

本日は休演日。
舞踊家たちはリハーサルをして(またもや大幅チェンジがありそう?)明日からの怒涛の三日間連続公演に備えます。
 

既にご覧になった方も、まだ体験していない方も、『箱入り娘』これからもさらに進化していきますのでどうぞお見逃しなく!
 

Noismバレエミストレス 真下恵

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