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バレエミストレス真下恵による「ハコ噺」第8話

Noismバレエミストレス真下恵が『箱入り娘』創作の日々の中からお届けする小噺、「ハコ噺」。
ある時は演出振付家の隣でメモをとり、またある時には音響卓を操作して音を出し、さらには舞踊家たち一人一人に客観的視点からアドバイスし、《かかし王子》の楽譜を片手に拍子を数え…リハーサルを見つめ続けてきたバレエミストレス。
8月1日まで続く公演の様子を、ミストレスだからこその目線で時折綴ります。
 

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「ハコ噺」第8話 2015.06.24


横浜KAATでの神奈川公演いよいよ始まりました。
 

ここ数年は毎年公演させていただいているKAAT神奈川芸術劇場ですが、今回はスタジオ公演のため、いつもの真っ赤な客席が印象的なホールではなく、大スタジオという小さめの会場での公演です。
 

小さいといっても我々の本拠地・新潟りゅーとぴあのスタジオBよりは天井も高く一番後ろの客席までの距離も遠い。
 

つまり単純に今まで以上に動きを大きくしなければ空間を満たすこともできないしお客様にも届かないのです。
しかし身体は大きく使おうと思えば思うほど、軸はぶれやすくなり身体のコントロールがきかなくなるもの。
 

だからといって踊りやすい範囲で踊っていてもその先に成長はない。
コントロールがきかなくなる一歩手前のギリギリのラインで初めて培われる筋力やバランス感覚を磨くことこそが舞踊家の成長というものなのです。
舞踊家にとって様々な空間で踊ることはチャンスであり挑戦です。
 

「引くな!攻め続けろ!」
 

今日良い舞台ができたからといって、明日安心していいわけではありません。
なぜなら舞台は常に一期一会だから。
恐怖、緊張、不安、すべてのものに打ち勝ってギリギリのラインまで攻め続けることでようやく次のステップのかけらがほんの少し見え始めるのです。
 

「俺たちに求められてるのは才能なんかじゃない、生き様なんだ。」
 

Noismの生き様、ぜひ見届けにお越しくださいませ。
 

Noismバレエミストレス 真下恵
 
 

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