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バレエミストレス真下恵による「ハコ噺」第9話

Noismバレエミストレス真下恵が『箱入り娘』創作の日々の中からお届けする小噺、「ハコ噺」。
ある時は演出振付家の隣でメモをとり、またある時には音響卓を操作して音を出し、さらには舞踊家たち一人一人に客観的視点からアドバイスし、《かかし王子》の楽譜を片手に拍子を数え…リハーサルを見つめ続けてきたバレエミストレス。
8月1日まで続く公演の様子を、ミストレスだからこその目線で時折綴ります。
 

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「ハコ噺」第9話 2015.07.01


横浜KAAT全6公演無事に終了いたしました。
ご来場いただいた皆様ありがとうございました。
 

『箱入り娘』は、金沢公演、新潟凱旋公演を残しようやく折り返し地点にたっております。
 

今回の「ハコ噺」は、今となっては唯一のNoism立ち上げからのメンバーであり、Noism作品の軸となり、常にNoismを支え牽引してきた副芸術監督兼Noism1舞踊家「井関佐和子」について書こうと思います。
 

本作『箱入り娘』でも舞台を縦横無尽に駆け(踊り)回り、感情表現も豊かにNe(e)t(ニート)やらイケ面やらを振り回し振り回され、
最終的にはああなってしまうという体力的にも精神的にも相当しんどいであろう役を見事に演じきっております。
 

いつかの海外ツアーのとき
「なんだか、日に日に元気になる気がするんだよね。」
と言っていた佐和さん。
「こ、この人はサイボーグに違いない、体のどこかにスイッチがあるに違いない。」
と確信したのを覚えております。
 

それほどに強靭な肉体と体力と精神力。
 

その背中は
泣きたくなるほど美しく
泣きたくなるほどたくましく
泣きたくなるほど孤独で
 

Noismと共に歩んできた11年間、どれだけの計り知れない多くのものをその細い身体で背負ってきたのだろうと、今、私自身が舞踊家を離れバレエミストレスという立ち位置につき初めて気づかされています。
 

しかし、きっとその責任、重圧、プライド、プレッシャー、様々な重き荷がまたさらに彼女を輝かせるのだということも。
 

残すところ、金沢2公演、新潟凱旋(みずつち特別公演も含めて)6公演、日に日にパワーアップしていく『箱入り娘』を少しでも多くのかたに見ていただきたいです。
よろしくお願いたいたします!
 

Noismバレエミストレス 真下恵

私たちはNoismの活動を応援しています。