Noism芸術監督 金森穣も国際委員を務める、BeSeTo演劇祭。毎年、日中韓3か国のいずれかの都市が会場となり、それぞれの国から劇団やカンパニーが集います。22回目となった今年は韓国・ソウルでの開催。メインとなる会場はソウル一の繁華街でもある明洞の高台にある、南山アートセンター。馬蹄形の客席でコンパクトな作りの劇場で、なんと設立は50年以上も前だそうです。ピカピカと新しいという感じはありませんが、落ち着いた雰囲気のある劇場でした。
一足先にソウル入りしたテクニカルチームと、劇場のテクニカルチームで仕込が進められました。新潟・神奈川・金沢の会場とは全く違った作りの劇場に、電圧が強いので照明もひと工夫もふた工夫も必要です。様々なことを考慮しつつ、かつ迅速に仕込み作業が行われました。
仕込2日目には後発隊も合流し、明り作りとリハーサルを行いました。
光州にアジア最大の文化施設がオープンし、そのオープニングフェスティバルと日程的に重なってしまったという今回の演劇祭でしたが、初日、2日目と客足が伸びたように感じました。先月、NIDF2015で初来日を果たした大邱市立舞踊団の芸術監督ホンさんをはじめ、カンパニーの皆さんも初日に駆けつけてくださいました。公演初日には終演後に金森と井関が登場し、アーティストトークも開催。積極的にお客様から質問があがっていました。通訳の方いわく、普段より多くの方が参加してくださっていたようです。
そして公演2日目。この日は各国のBeSeTo国際委員の皆さんや、演劇祭でNoismの次に公演を行う中国からの参加団体の方などがご来場くださいました。大きなブラボーの声と盛大な拍手と共に無事に幕が下りました。
最後に『箱入り娘』の創作過程を少し紹介。
作品内、Ne(e)Tが様々な衣裳に着替えて登場する映像の収録。
NGテイクが出るとメンバー総出で散らかった部屋を元の散らかり様に戻していったり、背景を合成するためにグリーンバックで収録したり。
創作時の最大のイベントであった五十嵐浜での映像収録の様子。
風の強い日本海海岸にセットを持ち込んでの収録は大変でした。太陽の光が良い感じになるほんのひと時を狙って、そこにベストを合わせるため、Noism1&2総出、出演者・スタッフ全員で一丸となって進められました。
冒頭で登場する絵を描く制作スタッフ陣。色鉛筆やクーピーペンシルをかき集めて色を塗っています。
6月6日に新潟で初演を迎え、4か月間4会場23公演を旅した『箱入り娘』も旅を終えて、Noism11年目のシーズンすべての公演が終了となりました。様々なことがあった今シーズンですが、来シーズンも、12月のNoism2定期公演で『Painted Desert』の再演と山田勇気新作、2016年1月・2月には『カルメン』の再演、そして。。。と大きなプロダクションが盛りだくさんです。12年目のシーズンも引き続きご支援のほどよろしくお願いいたします。