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Noismからだワークショップ 新潟国際情報大学

11月29日、新潟国際情報大学で、「Noismからだワークショップ」を開催しました。
講師はNoism2リハーサル監督の山田勇気。
4年前に同大学で行なった「からだワークショップ」が大変好評だったことから、またぜひお願いしたいとのことでご依頼をいただきました。
参加者は、国際交流ファシリテーター養成講座を受講する学生と教員、約30名。
この講座は、地域社会の国際化・活性化のニーズに応えるべく、地元の教育機関や企業と連携して「国際交流ファシリテーター」を養成するというもの。
実際に講座を受講する学生たちが、県内の小中学校・高校にワークショップ形式の国際理解教育を行う実践プログラムもあり、今では年間約30校で受講学生によるプログラムが行われているそうです。
今回の「からだワークショップ」は、この学生たちが実際に地域の学校へ出向く前に、全国各地で様々なワークショップを実践している専門家を招いて、自らそのワークショップを体験することで学びを得るための研修のひとつとして開催されました。
 


 

まずは二人一組になり、それぞれの手のひらを合わせて、その手のひらから得る情報をたよりに動いていくところからスタート。
一人が手のひらを始点として相手をどのように動かすかを決め、もう一人はそれについていきます。
簡単そうに見えて、実際にやってみるとなかなか難しいのがわかります。
普段の生活では、からだのある特定の部位に神経を集中し、そこから入ってくる情報を最大限に感じる機会はなかなかありません。
力加減も難しく、手のひらを押しすぎてしまったり、離れてしまいそうになったり、思うように相手が動いてくれなかったり、参加者たちは苦戦しながら探っている様子でした。
動きのきっかけは、あくまで手のひら。自分の手のひらからどのような情報を発信するか、相手の手のひらからどのような情報を得るか、とても敏感にならなければなりません。
「最初に手のひらを合わせたときの感覚が変わらないように。もし手のひらにサーモグラフィーがあったとしたら、その色が変わらないように。」と、山田も自ら参加している学生と手のひらを合せてアドバイス。
山田とペアを組んだ学生は「お~!こういうことか。」と少しずつ感覚をつかんでいったようです。
二人一組から始まったこの動きも、3人、4人、参加者全員と人数を増やしていったり、目を瞑ってやってみたりと、様々な発展系を体験してもらいました。
こうして徐々に感覚が研ぎ澄まされてきたのか、目を瞑ってやってみたときには、会場全体が静かな集中した空気に包まれているのがはっきりと感じられました。
 


 


 

続いては、グループで一人リーダーを決め、そのリーダーの動きを模倣しながらまわりにいる人の気配を感じて動くというもの。
 


 


 

人にぶつからないように、そして同時にリーダーの動きを見逃さないように集中します。
リーダーも順番に交代しながら行いました。
リーダーによって急激な動き、緩やかな動き、身体の上下を使った動き、少し変な動きをしてみたり、それぞれのリーダーの個性が出ていて、それが全体の動きや空気に伝わっていきました。
 

「国際交流」というと、外国語を学んだり、異文化について知るような体験を思い浮かべることが少なくないと思います。
しかし、すべてのコミュニケーションの基本は、誰もが持っている「からだ」から。
言葉ではない方法で、相手のことを感じたり、想像したり、考えたりする力が問われるのではないかでしょうか。
今回体験してもらった「からだワークショップ」では、自分と他者のからだの声に耳を澄ますこと、相手の気配を感じること、その変化に敏感であること(あるいは、意識的に鈍感でいること)等の大切さを感じてもらえたのではないかと思います。
地球の裏側ともすぐにつながれるようになった現代社会。国際化や情報化は、今後もますます進んでいくことでしょう。
その中で、今回の体験が、自分のからだの声を聴くこと、相手のからだの声を聴くこと、そしてその豊かな関係性を育んでいくことのきっかけになれば、嬉しく思います。
参加してくださった国際情報大学の学生の皆さん、ご協力いただいた教員・スタッフの皆さん、ありがとうございました。

私たちはNoismの活動を応援しています。