水と土の芸術祭2015パフォーマンスプログラムの一つ、Noismサマースクールが先日8/8(土)、8/9(日)の2日間にわたって開催されました。
連日猛暑が続く中、全国各地から老若男女問わず、多くの方が参加してくださいました。
1日目〈8/8(土)〉は、舞踊家コース〈中級〉と題し、舞踊経験者を対象に、
・Noismメソッド 講師:山田勇気(Noism2専属振付家兼リハーサル監督)
・Noismバレエ 講師:真下恵(Noismバレエミストレス)
・Noismレパートリー 講師:中川賢(Noism1)
の3つのクラスが行われました。
Noismメソッドのワークショップを行なうのは今回が初めて。
これまでほとんど公開されてこなかったNoismメソッド。参加者にとって非常に貴重な経験となったことでしょう。
Noism独自の訓練法であるこのNoismメソッドには、舞踊家がからだを動かす上で大切にしたい要素が多く詰まっています。
平面に対する意識を保つことや、動きの中に必ず2つの方向をつくること等、このメソッドでの訓練を通して、自分の身体の質感や空間に対する意識を丁寧に確かめ、鍛練していきます。
続くNoismバレエでは、クラッシックバレエ経験のある参加者も多い中、普段経験しているバレエとはまた違う「こういう身体の使い方もあるのだな」という感覚で受けてもらえればと講師の真下。
シフトという動きや跳ばないようにするジャンプなど、Noismバレエ独特の動きにも挑戦しました。
腸腰筋を意識することや、うしろに引っ張りながら前に進む等の、動きに対する逆方向への意識も忘れないこと!とのアドバイスもありました。
最後のNoismレパートリーでは、金森穣演出振付によるNoismレパートリー作品の中から、『Nameless Hands ~人形の家』と『PLAY 2 PLAY-干渉する次元』の一部を抜粋して行ないました。
講師の中川から振りに対するイメージも振付と同時に伝えられ、参加者の方も上手く汲み取ってそれぞれ思い思いに表現していました。
今回行なった『Nameless Hands』のペトルーシュカの振付は、テンポの速い音楽に対して振り数が結構多く、なかなか大変だったのではないでしょうか。
一方で、『PLAY 2 PLAY』のワルツの場面では、それとは対照的にスローな動きにも挑戦しました。それぞれ特徴の異なる2つの作品に挑戦できたことは参加者にとっても良い経験になったのではないかと思います。
2日目〈8/9(日)〉は一般コースと題し、舞踊経験者がほとんどいない中、
・おとなのためのからだワークショップ 講師:山田勇気(Noism2専属振付家兼リハーサル監督)
・Noismメソッド体験 講師:中川賢(Noism1)
の2クラスが行われました。
からだワークショップでは、手のひらの温かさや圧を感じることで動いたり、相手の動きに即座に反応したりと周りの空間や雰囲気、相手の動きに合わせてどう動くかを意識しながら展開されました。
普段無意識に行っている動きをあえて意識的に行なったり、相手の微細な動きを読み取ったりと、このワークショップは、意識しなければ眠ってしまっているような身体の感覚をも取り戻し、参加者の方々がもっと自由にからだを使えるようになることをめざしています。
続くNoismメソッド体験では、講師の中川の進行で、メソッドにも組み込まれているこれまでのNoism作品に登場してきた様々な歩き方にも挑戦しました。
最初の『SHIKAKU』から『CARMEN』にいたるまで、Noismの作品中には様々な歩き方があります。
舞台では簡単そうに見えている動きでも、いざ自分でやってみると意識するべきところがたくさんあり、なかなか大変なことが体感いただけたのではないでしょうか。
参加者の中には、クラス後に講師へ直接質問しに行く方もいらっしゃり、どのクラスも皆さんとても熱心に取り組んでくださいました。
今回の2日間すべてのクラスを通して、参加者の方には、舞踊家が一つ一つの動きにどれだけ多くのエネルギーを要しているのかを身を以って体験してもらえたのではないかと思います。
このNoismサマースクールは今週土日にも行われます。