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視覚障がい者のためのからだワークショップ

2022年12月17日(土)視覚に障がいをお持ちの方を対象にからだワークショップを行いました。

目のみえない人がNoismの舞踊に触れるためには、どのようなことができるか?ということから始まったこのワークショップも今回で4回目。視覚障がい当事者の方と山田勇気が、地域活動部門立ち上げ前の2019年から対話を重ね、ワークショップで取り組む内容もどんどん深化しています。

視覚障がいのある参加者の方々以外にろうあ協会の聴覚障がい者の方や、付添ガイドの方たち、盲導犬にも見守られ、にぎやかな中での開催となりました。

自己紹介を行い、まずは、手と手を合わせて、お互いを意識しながら動いていくウォーミングアップからスタート。

そこから背中合わせになり、身体の裏面でお互いを感じ取る動きに。

手のひらの感覚、皮膚から伝うものを感じ取る繊細な時間。空気が研ぎ澄まされていました。

今回は、1月に初演がせまった『Der Wandererーさすらい人』のオープニングシーンを皆で踊ってみることに。

舞台空間や美術、登場人物、シューベルトの曲の歌詞などの設定を言葉で伝え、実際に触ったり、歩いたりしながらイメージを膨らませます。Noism0の井関佐和子とNoism1メンバーそれぞれが、参加者の方と1人ずつペアになり、まずは実際に踊っている舞踊家の身体に触れて一緒に動くことで、全体の流れを体験してもらいました。

音楽に合わせて何度も練習し、群舞の細かい振付も覚えて、最後には皆でオープニングシーンを踊ることができました。

一つ一つの動きから強く伝わるものがあり、会場は温かい空気に満ちあふれていました。

WS終盤は、今日のWSで感じたこと等を話し合いました。Noismの舞踊家にとっても、視覚障がい者の皆さんとのWSでは毎回皮膚の感覚がいつもより鋭くなって、たくさんの発見と刺激があります。ご参加いただいた皆さんもNoismメンバーもとてもいい表情をしており、お互いが幸せになれる時間だったと感じています。

WSの回数を重ねるたびに感じるのは、視覚に障がいをお持ちの皆さん、人の気配を感じ取る力が何倍も強く、繊細な表現をされるということです。私たちも学ぶことの多い貴重な時間です。その様子を間近で見て、舞踊はあらゆる人に開かれているのだと、その可能性を実感することができました。

開催にご尽力いただいた関係者のみなさま、本当にありがとうございました。

私たちはNoismの活動を応援しています。