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先生のためのからだワークショップ

2月9日、新潟市「踊り文化推進事業」の一環として中学校教員を対象にした「からだワークショップ」を亀田総合体育館にて行いました。
今回講師を務めたのはNoism2専属振付家兼リハーサル監督の山田勇気とNoismバレエミストレス真下恵の2人です。
学習指導要領の改訂に伴い中学校の授業で「ダンス」が必修となり、その指導方法に頭と身体を悩ませている先生方も少なくはないでしょう。
そんな先生方のために、学校現場に持ち帰り、授業に役立つようなワークショップをお願いしたいと新潟市からNoismに要請があり、昨年より始めたのがこの「先生のためのからだワークショップ」です。
 

今回も、当初の予定では昨年と同様に実際にからだを使ったワークショップを先にやり、その後意見交換をすることを考えていましたが、まずはじめに先生方が普段学校でどのような授業を行っているのか、またどんなところに難しさを感じているのかなどをお聞きしながら意見交換をしました。
 

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おそらく、先生同士の間でも普段ダンスの授業に関してこのような意見交換をする場は少ないのでしょう。
それぞれの先生の授業方法、動きの作り方に周りの先生方も熱心に耳を傾けておられました。
そしてやはり、どの先生も抱えている問題は似ているようです。
 

たくさんあった意見の中で、今回は
「即興でからだを動かすときは自由にのびのびやるのに、それを人前で発表しようとすると照れてしまう」という課題に的をしぼり、それに対してどのような指導方法があるのか、実際にワークショップを通して考えることに。
 

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まずは、実際に先生方一人一人に動きを作っていただきました。
からだのいろいろな部位を使って自分の名前を空間に描くという動きをやってみると、ただ即興でからだを動かすよりも、個性的な動きや表現が生まれてきます。
それに対して、
「どこを見ながら動いているかはっきり決めたほうがいいですね。」
「大きいところは大きくめりはりをつけてみましょう。」
など、一人一人にアドバイスがはいります。
その後、その動きをもとに簡単な構成で短い作品を作りました。
そしていよいよ、2グループに分かれて発表です。いざ人前で発表するとなると、やはり先生方も恥ずかしそう。
しかし、さっきもらったアドバイスや、確実に次の人に動きをつなげなければならないなど、それぞれの人に「やること」が明確にあることで、外側から見ていてもとても個性的で興味深い作品に仕上がりました。
 

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やってみてどうでしたか?という質問に対しては、やはり「恥ずかしい」という意見が多く出ましたが、「でも、その照れる、恥ずかしい、という気持ちも大事なんですよ。照れてあたりまえなんです。」と、山田。
実際、先生方も自分のからだで体験することで得るものは大きかったのではないでしょうか。
ダンスは明確な「正解」があるわけでもありませんし、勝ち負けや点数で決められるものではないので、授業で教えるというのはとても難しいものだと思います。
今回のワークショップが、参加してくださった先生方にとって、今後の授業を考えるヒントになってくれれば嬉しく思います。
 

Noismバレエミストレス 真下恵

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